2015年1月26日月曜日

儲かる商品、無駄な商品

前回は、サラリーマンにはもう戻らない。このまま自分のビジネスをつづけるという決断をしたところまで書きました。

きっかけは、電話帳広告を申し込んでしまい、無駄な出費をさらに重ねることがとても苦痛という、それだけのことでした。
もしかしたら、結論を先延ばしにしただけだったのかも知れません。


とにかく出来ることはやろう。
ダメだったらいつでもサラリーマンに戻ればいい。

と、いうわけで、兄のマンションの一部屋を借りて再出発することになりました。
ここに持ち込んだものは、
「印鑑彫刻機」
「パソコン」
「名刺プリンター」
「デジタル印刷機」
この4つだけです。


既製のみとめ印の在庫や、文房具、カウンター、
看板、レジ、陳列棚、は本部が借金のかたに持っていきました。

まあでも、「はんこ屋」のもっとも儲かる部分は何とか確保することが出来ました。
これでやっていかなければいけません。

で、
「はんこ屋」がもっとも儲かる部分とはいったい何かと言うと、

別注の印鑑(既製品は儲かりません)
名刺(この頃は、名刺プリンターで印刷していました)
印刷(封筒、伝票、チラシ、DMなど)
別注のゴム印

おおまかに言うとこの4つです。



本部の戦略は、大通りに店を構えて、目立つ「看板」や「のぼり」でアピールします。
かなり派手で、ちょっと近所に気を使うほどでした。
「みとめ印98円」(当時はこれでもかなり安いというイメージでした)を売って、10000種ぐらいを在庫しておきます。
これも儲けるためというより、看板代わりという感覚です。

10000種持っているお店は当時は、なかなかありませんので、みとめ印を大量に使う、保険屋さんやその他の業種の営業さんたちが結構やって来ます。

既製のみとめ印は確かに売れますが、そんなに儲かりません。
むしろ、10000種を常時在庫するというコストはものすごい負担となります。

98円で売っていた「みとめ印」の仕入れは1本65円でした。
計算が難しいので売価の98円を100円として計算します。
つまり、1本売れると35円の儲けです。


1日10本売れたとして、25日で250本です。
売れ上げは100円×250本で、25000円ですね。
粗利は、1本あたり35円なので、35×250で、8750円です。
みとめ印を1万種在庫して、1ヶ月でこんな程度です。

しかし、10000種を在庫するためには、65円×10000種で、65万円分の商品と、
これを入れるスライド式の什器(約48万円)が必要でした。
つまり、おおよそ120万を投入して、お店に設置していました。
それで、月の利益が8000円程なのです。



投資金額を回収するのに、ざっと10年はかかる計算です。
お店が広くて、資金も潤沢にあるのなら置いてもいいですけど、
そうでなければあまり置く意味は無いと、今は考えています。




この100万円を投資して得られる利益が、
例えば別注印鑑を2本売れば達成出来るとしたら、どちらを売るべきか、答えは明白ですよね。
別注印鑑は、100万円の在庫は要らないです。



今、私のところには「みとめ印」の既製はありません。
お客様が、どうしても欲しいという場合は、近くで営業している「ダイソー」さんや「セリア」さんを紹介しています。
または、それらの店に自分で買いに行って、その値段のままお客様に売っています。
それで充分、お客様は納得しています。(多分ですけど)


店を閉めることで、そうした今まで抱えてきていた「無駄」もしくわ「重荷」を、一気に廃することが可能になりました。それは良かったです。




しかし、兄の部屋とは普通のマンションなので、近隣の人たちはここで「はんこ屋」をやっていることは知りませんし、もちろん気付きません。

看板はもちろん出ていませんので、外から見ると、普通の、人が生活している部屋でした。
しかも2階でしたし、大家さんにここで営業しているとも言ってませんでした。
もしかしたら言ったら追い出される可能性もありました。


なので新しいお客様が増えるということは無く、以前のお客様から依頼された商品を作って、配達するという日々が続きました。

みとめ印や文房具の売り上げが無くなって、売り上げも激減していました。
何か次の手を考えなければと思っていたある日、突然電話が鳴り出します。


それは次の日も、その次の日もという感じで、ほぼ毎日、鳴らない日が無いぐらいに続きます。
何が起こったのか、多分お解りだと思いますがこの続きは次回とさせて下さい。

(つづく)





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  お待ちしています。











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